飼い猫が腎臓病と診断されたら|おすすめの食事と与えるときのポイント

猫を飼ううえで気をつけたい病気の上位として挙げられるのが腎臓病です。この記事では、猫の腎臓病について解説するとともに、飼い猫が腎臓病と診断されたときの食事や与え方、食事を食べてくれないときの食べさせ方のポイントについて解説しています。飼い猫が年齢を重ねてきたら気になるのが腎臓病です。愛猫が腎臓病と診断され、何か症状を遅らせる方法はないかと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでこの記事では、腎臓病を患ってしまったときに進行を抑制する食事について解説していきます。また、食欲がない猫へ食事を与えるときのポイントについても紹介しているので参考にしてみてください。

猫の腎臓病ってどんな病気?

猫の腎臓病は、腎臓の濾過機能が失われて本来体外に排出されるはずの老廃物が蓄積されたままになってしまう病気です。腎臓の主な機能は尿をつくることです。腎臓は無数の「小さな腎臓」からできており、その小さな腎臓の機能単位を「ネフロン」と呼びます。ネフロンは、人間の左右の腎臓で約200万個、猫の場合は約40万個存在するとされていて、それぞれで、濾過や再吸収、濃縮などさまざまな働きをしています。老廃物など身体に不必要なものは最終的に尿として排出します。

通常、健康であればこうした流れが順調に行われるのですが、ネフロンの働きが損なわれてしまうと濾過や再吸収がうまく機能せず、老廃物が蓄積されたままになり、腎臓がうまく機能しなくなります。これが腎臓病といわれる状態です。ネフロンの働きが損なわれる原因はさまざまに考えられており、確かな原因はわかっていません。

猫の場合、とくに腎臓で再吸収する機能が低下するといわれています。再吸収がうまくいかないと、必要な水分の一部が取り込めません。その結果、血液が濃くなり、さらには毒素の数値が高く出るので何かしらの症状があらわれてきます。

また、傷ついたネフロンは再生することはなく、腎臓病は一度患ってしまうと回復することは難しい病気とされています。

腎臓が十分に機能しなくなることを腎不全といい、長い間続くと慢性腎臓病(慢性腎不全)と呼ばれます。猫の場合、15歳以上の約30%が慢性腎臓病といわれています。高齢になったら注意したい猫の病気としてもよく挙げられるのが腎臓病なのです。

さらに詳しく知りたい方は以下の記事でも紹介しています。

「猫の病気|慢性腎臓病ってどんな病気?原因や治療法」

腎臓病におすすめの食事

普段の食事に気を配ることで、腎臓病の進行を遅らせられるといわれています。ここでは、猫が腎臓病と診断されたときにおすすめの食事と、気をつけておきたいポイントについて紹介します。

リンやナトリウムを抑えた食事で腎臓をケア

腎臓病と診断されたら、与える食事はリンやナトリウムを抑えたものにするのがよいでしょう。リンは本来骨や細胞をつくるために必要な栄養素です。しかし、腎臓病を患った猫は腎機能の低下により、うまく体外にリンが排出できず過剰に溜まってしまいます。これが腎臓病を悪化させる要因ともいわれています。

また、ナトリウムも血圧の上昇に関与します。腎臓機能が低下している状態での血圧上昇は、さらに腎臓へ負担をかけることになるのです。そのため、リンやナトリウムを押さえた食事が大切といわれています。

タンパク質には注意を

タンパク質については、完全に制限する必要はありませんが、良質なタンパク質を与えることが大切です。腎臓病になると血液の中にある有毒物質が増えますが、これは過剰なタンパク質の分解によるものです。このことから、タンパク質を極力控えたほうがいいように思えますが、筋肉や組織を強化するタンパク質は猫にとっても重要な栄養素です。そのため、良質な動物性タンパク質を適量与えることで、猫の筋肉の衰えにも注意していきましょう。

きちんと食事をとってもらうことが大切

そもそも十分に食べないことが、腎臓病の症状悪化にもつながります。

摂取カロリーが少ないと生命維持に自分の筋肉を消費し、さらに腎臓に負担をかけ、症状を悪化させる要因になりかねません。もちろん、必要なカロリーが摂取されないと体力も低下するので、適切な栄養素を適量バランスよく食べてもらうことが大切なのです。

療法食やサプリメントの導入も

上記のような理由から食事を食べてもらいたいと思っても、実際はなかなか食べてくれないこともあります。その場合、療法食やサプリメントを取り入れてみるのもおすすめです。慢性腎臓病専用のフードは、前述したなるべく抑えたいリンやナトリウムにも配慮し、高消化のタンパク質を配合するなど、腎機能に負担がかからない工夫がされています。

市販でもいろいろな種類がありますが、動物病院でも特別な療法食を販売している場合があるので、そちらを試してみるのもよいでしょう。

また、体内に老廃物を溜め込まないよう排出をうながすサプリメントなどもおすすめです。

食欲がない猫に食事を与えるときのポイント

腎臓病が進行すると食欲が落ちたり体重が減少したりするケースも少なくありません。嘔吐やけいれんなどの全身症状があらわれる場合もあります。

続いては、食欲がない猫に食事を与えるポイントについて解説します。

人肌より少し温かいくらいに温める

俗に「猫舌」ともいわれている猫に最適な食事の温度は、38~39℃くらいの人肌か、それより少し高い温度です。昔は獲物を食べていた猫にとって、獲物の体温に近い温度は食べやすく消化にもよいと考えられているためです。

温めると香りがすることで食欲が増し、温かいものを食べることで猫の体温が下がらないというメリットもあります。ウェットフードの場合は、電子レンジで軽く加熱するか、ぬるま湯を少し混ぜてあげるとよいでしょう。

1回の量を減らして回数を増やす

食事を一度にたくさんの量を与えるのではなく、3~4回とこまめにわけて与えるとよいでしょう。そうすることで消化吸収もよくなり、嘔吐の予防にもつながります。

また、一度に必要な量を食べさせなければならない、と気負う必要もなくなります。猫も少しなら食べてくれることもあるので、根気よく回数を増やして与えるのもひとつの手段です。

食事に好みの風味を付ける

猫に食事を与えるときは、より食いつきをよくする味付けを意識することも大切です。嗜好は猫によって異なるため、愛猫が好む風味をつけてあげるとよいでしょう。

猫が好む、魚や鰹節などの出汁やササミの茹で汁をかけてみたり、好みの肉や魚などを少量トッピングしてみたりするのも効果的です。

また、高栄養食のウェットフードやペースト状の栄養補給用サプリメントなどを利用するのもひとつの手です。食欲が落ちたときに食べやすいような味付けになっているものが多いので、それらを補助的に活用するのもいいでしょう。

フードのタイプを変えてみる

普段ドライタイプのフードを与えている方は、ウェットタイプにするなど、フードのタイプを変えてみると食べてもらえる場合があります。

噛む力の退化を防止するためにはドライフードがおすすめですが、ウェットフードの場合、水分量を多く含んでいるため、あまり水を飲まない猫にはこちらを与えるのもよいでしょう。ドライフードの場合は水を多く飲むようにうながしたり、両方をうまく組み合わせて飽きさせないようにしたりして、食べてもらう工夫が必要です。

楽しい雰囲気づくりを心がけてあげることも大切

猫が食べないからといって焦ってしまうのではなく、楽しい雰囲気をつくってあげることも重要です。食べることが楽しいと思えるように、食事のときには「それおいしそうだね」「よく食べてえらいね」と明るく声をかけ、褒めてあげるのも効果的です。

もし食べられなかった場合は無理に食べさせるのではなく、さっと片付けてしまいましょう。楽しい雰囲気を最後まで意識して、食事は楽しい時間なのだと猫が感じられるよう心がけましょう。

身体の観察や定期的な検査も忘れずに

腎臓病とわかってからも、体重や普段の行動に変化がないか、日頃から注意深く観察することが大切です。とくに以下の点が症状や行動としてあらわれていないかチェックしてみてください。

・水を飲む回数が増えてきた

・トイレの回数が増えてきた

・食欲が以前より落ちてきた

・体重や体温の低下がみられてきた

・嘔吐の回数が増えてきた

・毛のツヤが悪くなった

・行動量が減ってきた

上記のような症状がみられたら動物病院に相談してみることをおすすめします。またとくに高齢の猫に関しては、定期検査の実施も忘れないようにしましょう。

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おわりに

猫の病気として気をつけたい腎臓病ですが、一度患ってしまうと完全な回復は難しいため、それ以上進行させないようにすることが重要です。そのためには日頃の健康観察や適切な食事に気を配るのはもちろん、定期的な検査も怠らないようにして、ぜひ愛猫と長く楽しく過ごせる時間を増やせるようにしてください。